本研究は、台湾人日本語学習者上位群3 名と下位群3 名が事態描写において使用した視点表現の特徴を縦断的に考察したものである。調査には、学習者に8 コマからなる漫画を見せて、その内容を記述させるストーリー構築法を用いた。分析では、事態描写に使われた受身表現、授受表現、移動表現、为観表現、情感表現といった視点表現の使用状況について考察した。その結果、上位群の学習者は、描写に用いた視点表現の種類が比較的に多く、日本語母語話者に似ていることが観察されたが、各表現の使用率においては日本語母語話者の使用率に近づくような変化が見られなかった。一方、下位群の3 名は、为に为観表現と移動表現を使っており、さらに学習が進むにつれ、使用した視点表現の種類およびその使用率において、いずれも日本語母語話者に近づくような変化が見られなかった。
- 台湾人日本語学習者の事態描写における視点表現の使用変化―縦断的ケーススタディを通して
- Chih-Chen Wei (Author)
- 中華大學應用日語學系&中華日本研究編集委員會
- Journal article
- 30/06/2017
- 中華日本研究, (8), pp.74-98
- Japanese